このような悩みを持っていないだろうか。
・「追い込み」という表現が曖昧で意味が分からない。必要なのかわからない。
・「追い込み」の判断基準が分からない。
・ケガせず追い込む方法を知りたい。
この記事ではこれらの悩みを解決する。
この記事の内容は以下のとおりである。
1.追い込みの定義を具体的に解説。
2.「追い込み」の判断基準を解説。
3.ケガぜずに追い込む方法を解説。
この記事を書いている筆者は筋トレを5年間行っており、ボディビルダーを目指し研究と実践を繰り返している筋トレオタクである。またフィットネスクラブでの勤務経験があり、初心者のシェイプアップに成功した経験もある。このような筆者が読者の悩みを解決しよう。この記事を読むことで筋トレにおける「追い込み」を言語化でき実践できるようになる。
「追い込み」の定義を具体的に解説

俗的な定義とその課題
「追い込み」という言葉はジムやSNSの場で使用される。俗的な「追い込み」の特徴として曖昧さがあげられる。「筋肉がちぎれる感覚までやる」「立てなくなるまで動く」「補助者を補助するまでやる」のように精神論的な価値観が強く反映されている。
このように俗的な「追い込み」は定義が曖昧なので、再現性の低さが課題となる。あるヒトにとって追い込んだレベルは別のヒトにとっては余裕がある状況かもしれないし、「追い込み」の判断が主観に依存している。漸進的に負荷を高めていく筋トレの判断基準が主観的であっては良くないだろう。なぜなら毎回基準が変化するからだ。
また俗的な「追い込み」の定義に起因して、「追い込まなければ成長しない」という強迫観念にかられることがある。確かに限界近くに到らないと筋肉は成長しないのだが、そのためには回復や休養、トレーニング計画の立案などの複数の要因が関係する。俗的な「追い込み」を妄信するとトレーニング以外の要素を軽視し長期的成長が阻害される可能性が高い。
恐らくこの記事を読んでいるヒトは、俗的な「追い込み」の定義に納得できなかったヒトだろう。それは曖昧さとそれによる課題が理由である。
ここまで俗的な「追い込み」の課題を追求したが、筆者は精神論や根性それ自身を否定はしない。実践なき知識は空虚である。理論に基づいた実践で結果を出しているヒトの根底にはド根性が存在する。ただ再現性や知見に基づかない精神論や根性は必要ないと考える。知識なき実践は盲目である。
以下では筋トレにおける「追い込み」を再現性高く解説し、それを実践するコツを解説する。
再現性高い定義
筋トレにおける「追い込み」とは、「筋肉が力を発揮できなくなる瞬間まで反復動作を続けること」と定義する。また反復動作は1つの連続した(休憩なし)セット内とする。
この定義は曖昧さを回避できる利点がある。どこまでやればよいかが明確になるので、トレーニングの指標として再現性が高まる。この定義なら毎回「追い込み」を測定することもできる。例えば「あと1〜2回しかできない重量で行う8〜12回のトレーニングを3セット」というように、具体的な数値と負荷設定が可能になる。
次に、フォーム崩れやケガのリスクという問題に対して安全性が確保される。なぜならこの定義は良好なフォームを維持したうえでの限界到達を前提とするからだ。「追い込みこそが正義」となり、対象筋以外の動作で挙げることもなくなるので、ケガのリスクだけでなく対象筋から負荷が逃げることも少なくなる。
「追い込み」の判断基準

1セットでの出力を出し切ったかどうか
「追い込み」を正しく評価する基準は、1セットの中で出力を出し切ったかどうかである。
この基準に沿って動作を評価するには、以下の2点が重要である。
✅ 直前のレップまで正しいフォームで動作を行えていたか?
→ この点については明確に「はい」「いいえ」と答えられる。なぜなら実際に動作をこなしているからだ。
✅ 次の1レップはフォームが崩れそうか、動作が止まりそうか?
→ この点については「分からない」と答える。なぜなら実際に動作していないからだ。「もう次限界」と思ってもそれは主観なので実際はあと数レップこなせる可能性が高い。試しに主観的に限界と判断した後に30秒ほどレストし動作を反復してみると良い。全セット-3レップほどこなせるはずだ。これは「追い込みの判定が主観に依存しやすい」という課題の一つである。
痙攣をサインとする
筆者は先の課題解決方法として痙攣をサインとすることを推奨する。なぜなら生理的現象を指標とするので精神的要素に左右されにくいからだ。
トレーニングをしていると途中で震えてくることがある。例えばレッグエクステンションで脚が、チンアップで腕が、ローイングで上背あたりが震えてくる。これはレスト無しの1セットに間に使えるカルシウムを使い切ったからで、これ以上収縮できないことのサインとなる。ちなみにストレッチはまだ可能である。
この痙攣は基本的にミッドレンジの手前で発生する。なぜならミッドレンジが最も負荷が高いからだ。重量オーバーロードをメインとしているときにはここから叫んだり気張ったり身体をゆすったりすることでミッドレンジを乗り切る。補助者がいる時はフォーストレップでこれを代用する。又はLLPを採用してミッドレンジ以下の範囲で余力を出し切る。
このテクニックはチーティングに近く、骨格筋で動作はほとんど行っていない。そこからネガティブをゆっくり降ろす。次のレップは99%のヒトがこなせない。
以上のことから、痙攣が発生した部分を「筋肉が力を発揮できなくなる瞬間」とみなすことができる。痙攣は生理的現象なので、ヒトの心理的要素に左右されることが少なく再現性が高い。
ケガをせずに追い込む方法

フォームが安定するシステムをつくる
前提として追い込むほどケガのリスクが高まる。なぜなら限界付近に到るほどフォームを崩す可能性は高くなり、フォームを維持するエネルギーは少なくなるからだ。
そのためフォームを安定させる努力をするのではなく、フォームが安定せざるを得ないシステムをつくることが重要になる。
確かに筋トレの目的が運動パフォーマンスの向上や、骨への刺激であるならフォームを安定させる努力は有効である。しかしこの記事を読んでいるヒトの目的は筋肥大なはずなので、ここではフォームが安定しているシステムつくりを推奨する。
具体的には可動域及び稼働する関節の制限やマシンの使用である。ベンチプレスとチェストプレスは最大負荷の発生位置は異なるが、使用される対象筋はほぼ同じである。身体を安定させる役割をマシンが行うので限界近くになってもケガする可能性が低い。
最後に
この記事では筋トレと「追い込み」の関係について解説した。「追い込み」の意味が分からない理由を明確にし、再現性高い「追い込み」の基準と判断方法を示した。この記事を読んで読者の悩みが解決したなら嬉しい。
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