このような悩みを持っていないだろうか。
・どのタイミングでタンパク質を摂るべきか分からない。
・どのくらいの量を摂ればよいか不明。
この記事ではこれらの悩みを解決していく。
この記事の内容は以下のとおりである。
1.タンパク質の適切な摂取量を解説。
2.タンパク質の適切な摂取タイミングを解説。
まずタンパク質の摂取は健康及び筋肥大に置いて重要である。なぜなら身体はタンパク質で構成されているからだ。
タンパク質摂取が重要なのは自明だが摂取の明確な基準は存在しない。これでは再現性が低く継続的に健康と筋肥大を最適化することができなくなる。そのためこの記事では健康と筋肥大を目的として、タンパク質をどう摂取すると良いかを解説する。
この記事を書いている筆者は筋トレを5年間行っており、ボディビルダーを目指し研究と実践を繰り返している筋トレオタクである。またフィットネスクラブでの勤務経験があり初心者のシェイプアップに成功した経験もある。このような筆者が解説しよう。
タンパク質の適切な摂取量
過剰摂取は控える
タンパク質は重要だがとればとるほど筋肥大に繋がるわけではない。なぜならタンパク質の過剰摂取がテストステロン量の低下を招く可能性が高いからだ。
タンパク質量と総テストステロン量の関係を調査したメタアナリシスでは、体重×3.4g以上のタンパク質摂取で総テストステロン量が有意に低下することが報告された。
この研究では体重×3.4g以下では総テストステロン量の低下は見られなかった。
タンパク質の過剰摂取がテストステロンに与える負の影響は間接的と思われる。なぜなら多くのタンパク質を摂取することで、炭水化物及び脂質の摂取量が制限されるからだ。
脂質量が制限されることはコレストロールの材料が少なくなることを意味し、テストステロン生合成が抑制される。また炭水化物量が制限されることでストレスが増加し、テストステロンのコルチゾール変換が亢進したり、トレーニングのリカバリー速度の低下、アナボリック活動のエネルギー源の減少などが起こる。
脂質に関してはこちらの記事を参照してほしい。
以上のことから、過剰なタンパク質摂取は間接的にテストステロン量を低下させる。先の研究を参考に体重×3.4g以上の摂取は推奨しない。
摂取量の下限
タンパク質は少なくとも、体重×1.62g摂取したい。なぜならこの量のタンパク質を摂取することで、筋肥大に必要なアミノ酸を最低限賄うことができるからだ。
タンパク質摂取と筋力トレーニングによる筋肥大効率の関係を調査した研究では、体重×1.62g以上タンパク質を摂取しても、筋肥大効率に有意差がないことを報告した。
この研究から、体重×1.62gのタンパク質を摂取すれば、ヒトの通常の生命活動に追加して筋肥大に必要なアミノ酸を賄えることが分かる。
この研究は被験者の行ったトレーニング内容や摂取したタンパク質の内容が明確ではないが、摂取するタンパク質の下限の基準として利用できる。
しかしトレーニングの頻度が高く一日の多くの時間帯をアナボリック優位で過ごすことができるヒトなら、体重×1.62g以上のタンパク質をとった方が筋肥大効率は高くなる。アナボリック環境を長く構築しているにもかかわらずタンパク質をあえて制限する理由はない。
この研究結果が適用できるのは、トレーニング頻度が週2~3回程度のヒトだろう。それ以上の頻度の人は体重×2~2.5g程度の量摂取すると良い。
ちなみに総摂取カロリーの2~10%タンパク質を摂取する群と、17%~23%摂取する群とを比較した研究では、低タンパク質群では血清テストステロン、FSHレベルなどが有意に低下している。筋肥大を目指していろうがなかろうが、層摂取カロリーの20%はタンパク質を摂取したい。
タンパク質の適切な摂取タイミング
タンパク質の摂取頻度
結論として、タンパク質の総摂取量を確保することは前提で、タンパク質の摂取頻度を高めることは依然として有効である。この結論は以下の研究結果から導かれる。
トレーニング後のタンパク質摂取量による筋肥大反応の違いを調査した研究では、トレ後25gのタンパク質摂取よりも、100gのタンパク質摂取の方が12時間後の筋肥大反応が高く保たれることが報告された。
この研究結果を見ると、タンパク質をいつ摂取したとしてもタンパク質吸収速度とアミノ酸利用効率は個体に依存するということが導かれる。
例えば1時間で30個の製品をつくれる工場に、1時間ごとに30個分の材料を5回納品しても、朝一に150個分納品しても、従業員や機械が変わらないので作業効率は変わらない。これと同じことがヒトの体内で起こっているとされる。
しかしこの研究を詳しく見ると、局所的には小分けにタンパク質を取った方が良いとわかる。なぜなら小分けに摂取したほうが摂取したタンパク質が筋合成に使われる割合が大きいからだ。
100gタンパク質は全体の13%が筋合成のために使用されたのに対して、25gタンパク質では全体の17%が筋合成に使用されたことが報告されている。局所的に見るとやはりタンパク質は小分けに摂取したほうが良いといえる。
以上のことから、タンパク質の総摂取量を確保することは前提で、タンパク質の摂取頻度を高めることは依然として有効といえる。
この研究で摂取されたタンパク質量は100gなので、これ以上の摂取で同様の結果が起こるかはわからない。また一度に大量のタンパク質を摂取することは肝臓や腎臓に負担をかける可能性が高いので、万人に推奨できる方法ではない。
筆者は一日4~6食に分けてタンパク質を摂取することをすすめる。ただ仕事や過集中を理由にタンパク質摂取が遅れたとしても気にしすぎることはない。
食事誘発性熱産生(DIT)
タンパク質はそれ自体を消費するエネルギーが多いので、脂質と炭水化物と比較して多めに摂取するメリットが大きい。DITは、カロリーを消費するために消費されるカロリーで、タンパク質のDITは炭水化物と脂質と比較して高い。
最後に
この記事ではタンパク質の適切な摂取量とタイミングを解説した。
タンパク質の過剰摂取は間接的にテストステロンの低下を招く可能性があり、体重×3.4g以上は推奨されない。一方で筋肥大に必要な最低摂取量は体重×1.62gで、トレーニング頻度に応じて2~2.5g程度まで増やすと良い。
摂取量は前提として重要だが、小分けに摂取したほうがやはり筋合成は促進される。タンパク質はDITが高く、脂質や炭水化物よりも代謝効率が良いとされる。一日4~6回に分けてタンパク質を摂取することをすすめる。
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