漸進的オーバーロードとは何か、構成要素を解説。

漸進的オーバーロード

この記事では、漸進的オーバーロードを構成する要素である、負荷、レップ数、セット数について解説する。そもそもこれがどのようなものなのかが理解できる。

漸進的オーバーロードとは何か

漸進的オーバーロードとは、「筋力トレーニングの総ボリュームを徐々に増やしていくこと」である。そして総ボリュームはセット数×レップ数×負荷を用いて測定される。

総ボリュームはの区切りは、1セッション当たり、週当たり、月当たりを基準にすることが多い。

例えば1セッションで、60㎏のベンチプレスを10回3セット行ったとする。1セッション当たりのトレーニングボリュームは60×10×3で1800となる。次のセッションで62.5㎏で10回、10回、9回できたなら、トレーニングボリュームは1812.5となる。前回より少しだけトレーニングボリュームが増加している。これは単純な例だが、これが漸進的オーバーロードである。

漸進的オーバーロードを達成するには、トレーニングボリュームを構成する要素であるセット数、レップ数、負荷を何らかの形で少しずつ増やしていく必要がある。以下ではトレーニングボリュームを構成するセット数、レップ数、負荷について解説する。

負荷

この負荷という概念は定義が曖昧である。ここでいう負荷は筋肥大のためのものとする。そして筋肥大のみが目的なら、「1レップ当たりの仕事率」と定義される。この意味での負荷オーバーロードする必要がある。そして負荷の理解には簡単な物理の理論が関係する。

仕事とは物理の分野で、「物体に力を加え、物体をその力の向きに動かすこと」を意味する。そして仕事は、力と移動距離の積で求められる。例えば100㎏スクワットでバーベルをボトムからパラレルまで動す場合と、ボトムからトップまで動かす場合では、後者の方が仕事量が大きい。

仕事率は、「1秒間辺りにする仕事量」と定義され、仕事率は仕事から仕事にかかった時間を割ることで求められる。例えば100㎏スクワットでボトムからトップまで1秒で持っていく方が、5秒かけて持っていくよりも仕事率は高い。

作用反作用の法則より、バーベルに対しての筋出力は筋繊維に戻ってくる。つまり仕事率を高めるほど筋繊維への負荷が高くなる。

負荷を高めることは仕事率を高めることにあり、仕事率は大きく力(≒使用重量)、移動距離、仕事にかかった時間から構成される。そして筋力トレーニングでは「骨格筋が最も使用される条件」で運動することが重要になる。このことから、移動距離は対象筋にとってのフルレンジ、動作は爆発的挙上(仕事にかかる時間を少なくし、かつⅡ型繊維を多く動員する)と固定できる。

以上のことから筋肥大のための負荷オーバーロードは、「対象筋にとってのフルレンジかつ爆発的挙上という条件での使用重量」を高めることいえる。そのため負荷オーバーロード=重量オーバーロードといえる。なぜなら使用重量以外の要素は最適化できるからだ。

レップ数

レップ数については解説する必要がないだろう。レップ数は負荷で触れた条件を遵守したうえで何回繰り返すことができるかで決まる。3回繰り返すと3レップ、10回繰り返すと10レップである。

セット数

1セットは、「休憩なしで連続して行う反復運動」と定義できる。スクワットをラックから外し、休憩なしで目標回数反復してラックにかけるまでが1セットである。そして休憩をはさんで繰り返した合計数が1セッション当たりのセット数である。

セットとセットの間には休憩が存在している。休息は大きく低レスト(30秒以下)、中レスト(60~90秒程度)、長レスト(3分以上)に分けられ、休憩の挟み方によって心肺機能の回復度合いと筋繊維の回復度合いが変わる。

セット数の定義から見ると、レストポーズ法やドロップセット法は多セット法のように思える。

ヘビーデューティトレーニングや、筋形質肥大トレーニングの代表であるSSTなども、メインセットは1セットだが実際は小さなレストが存在し多セットを含んでいる。

まとめ

漸進的オーバーロードとは総ボリュームを徐々に増やしていくことで、総ボリュームはセット数×レップ数×負荷を用いて測定される。

筋肥大を目的とした場合、負荷オーバーロードとは「対象筋にとってのフルレンジかつ爆発的挙上という条件での使用重量」を高めることなので、重量オーバーロードと同義である。

負荷オーバーロードの条件を遵守したうえで、重量、回数、セットを前回よりも増やしていかないといけない。

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