筋トレに野菜は必要orいらない?|野菜摂取の是非と独自性を解説

このような悩みを持っていないだろうか。

・筋トレに野菜は必要なのかわからない。野菜を食べなくてデカい人もいて混乱している。

・野菜をとるメリットとデメリットが分からない。野菜でないといけない理由は何?

・もしかして野菜は必要ないのでは?

この記事ではこれらの悩みを解決する。

この記事の内容は以下のとおりである。

1.筋トレに野菜が必要orいらないと言われる理由を分析。

2.野菜を摂取する独自性を解説。

この記事を書いている筆者は筋トレを5年間行っており、ボディビルダーを目指し研究と実践を繰り返している筋トレオタクである。またフィットネスクラブでの勤務経験があり、初心者のシェイプアップに成功した経験もある。このような筆者が読者の悩みを解決しよう。この記事を読むことで筋トレと野菜の関係が理解でき自分で野菜摂取について判断できるようになる。

筋トレに野菜が必要と言われる理由を分析

ここでは筋トレに野菜が必要であるという主張をまとめて分析する。

タンパク質が取れる

野菜を摂取することでタンパク質を摂取できる言う主張である。この主張は主にブロッコリーと豆由来の食材を宣伝する文脈で使用される。実際にブロッコリー100g当たりに含まれるタンパク質は5.4gで他の葉野菜よりも多い。大豆は100g当たり33.8gで非常に多い。

筆者はこの主張は筋トレに野菜が必要と結論付けるための理由として弱いと考える。理由は2つある。

一つ目はタンパク「質」について無視している点にある。タンパク質はその名の通り食材によって「質」が異なる。この質を評価する基準として必須アミノ酸の含有量があげられる。

例えば必須アミノ酸9種類の内8つは理想量100に対し十分であるが、リジンのみ60である場合その食材のスコアは60となる。たとえ8つが十分だとしてもひとつが不足しているとそこがボトルネックとなり質の低下を招くのがアミノ酸の性質(桶理論)である。

このスコアが100に近いほどタンパク「質」が高いとみなす。この基準をプロテインスコアといい、動物性タンパク質ほどスコアが高い傾向にある。動物性たんぱく質のプロテインスコアが80~90であるのに対して大豆のプロテインスコアは56で質の低さが目立つ。

二つ目はロイシン含有量の少なさである。必須アミノ酸であるロイシンは筋肉の合成スイッチであるmTORを活性化させる役割を持つ。具体的には2~3gの摂取でこの効果を得られる。植物性タンパク質はこのロイシンの含有量が動物性タンパク質よりも低いので筋合成に置いて質が低いといえる。

以上のことから、タンパク質を理由に野菜を摂取するべきと結論付けることはできない。

ビタミンを摂取するため

野菜にはビタミンと食物繊維が含まれているので摂取するべきという主張がある。この主張には一定の納得ができるが、効率性と代替性を考えると野菜の独自性とは言えない。

まず野菜には確かにビタミンが含まれているが、質が低いという特徴と100%摂取できないという欠点がある。

脂溶性ビタミンに関して野菜に含まれるビタミンAは「βカロテン」というビタミンAの前駆体として存在する。これを体内で活性型(レチノール)に変換する効率は低い。動物性食材に含まれるビタミンAはレチノールなので生体利用率が高い。また野菜に含まれるビタミンDもビタミンD2で活性型のビタミンD3を得るには動物性食材を摂取したほうが効率的である。

水溶性ビタミンは水に溶けやすい性質があり、加熱や水洗い、茹でという過程で失われる。例としてブロッコリーをゆでた際の栄養素の損失を調査した研究を示しておく。

以上のことからビタミンを摂取できるという点は野菜を摂取する動機としては納得できるが、かならずしも野菜の独自性とは言えない。実際にサプリメントで十分に代替えすることができるしそちらの方が目的に対して賢明である。

筋トレに野菜がいらないと言われる理由を分析

栄養素が少ない

野菜の栄養素は過去数十年と比較して減少しているという事実がある。これは土壌の栄養素が低下したことが理由である。そのため野菜を摂取しても栄養素を摂取できないので必要ないという主張がある。

この主張は納得できるが一貫性がない。なぜなら穀物の栄養素軽減を無視しているからだ。原因が土壌の栄養低下にあるので、小麦や米、トウモロコシなどの微量栄養素も過去と比較して減少している。先の理論を主張するなら穀物も同様に摂取するべきでないことになる。

値段が高い

これは栄養的な理由ではなく経済的な理由である。費用対効果の低い野菜に金をかけるよりも他の食材に金をかけた方がマシという主張である。

このような主張をするのは本当に金がないヒトか金の管理が緩いヒトである。前者なら金策を頑張ること、後者なら家計を見直すことでこのデメリットは回避できる。

カロリーが少ない

野菜は量に対してカロリーが少ないので筋トレには必要ないという主張がある。この主張は増量=オーバーカロリーという考えが理由にある。増量期に野菜を食べすぎるとカロリーを稼げないので野菜は必要ないと主張する。

この主張には筆者は反対である。理由は増量の目的はオーバーカロリーではないからだ。筋肥大はアナボリック(同化)>カタボリック(異化)の環境を創り出すことにあり、この環境を大雑把に実現するためにオーバーカロリーという手段をとっているのだ。実際ホルモンや食事タイミング、その他日常レベルの行動の完成度を90~100%で管理できるなら、過食をしなくても先の環境をつくれる。このテクニックはリコンプといわれる。

また増量は端にハイカロリーにすればよいわけではない。例えばカロリー=筋肥大ならなぜ毎食揚げ物にしないのだろうか。それは脂質過多だとテストステロン濃度が低下しアナボリック環境が壊れるからである。野菜を摂取することはカロリー以外の点でアナボリックに貢献する。これについては後述する。

以上のことから、カロリーが少ないという特徴は野菜を摂取しない理由にはならない。

野菜を摂取する独自性を解説

ここでは野菜を摂取する独自性を解説する。他の食材では代替えできない特徴を示す。この独自性が必要かどうかを自分で判断すれば野菜の取捨選択が可能になる。

ファイトケミカルの摂取

ファイトケミカルとは、植物が外的因子から身を守るために生成する成分の総称である。ファイトケミカルは複数の研究でヒトへの好影響が報告されており、植物からしか摂取できないという点で独自性といえる。

例えば緑茶に含まれるエピカテキンは筋肉のカタボリックに寄与するミオスタチンという物質の作用を抑制することで筋肥大に貢献する。イソフラボンはテストステロン濃度を高く保つために使用することができる。ケルセチンは糖を過剰摂取した際の悪影響を軽減する作用が報告されている。

このようにファイトケミカルは健康及び筋肥大に貢献する特徴を持つ。またこれら物質を含むサプリメントの流通が少ない点は代替性の低さを示している。

アルカリ性食材

食材は大きく酸性食材とアルカリ性食材に分けられる。ヒトの身体は弱アルカリ性に保たれるようになっており、少しでもpH濃度が変化すると腎臓や肺などの働きで弱アルカリ性に戻る。

アルカリ性食材を摂取することで身体のpH濃の変化を少なくできるので、臓器の負担軽減に寄与し、長期的健康と筋肥大に貢献する。筋トレを行うヒトの食餌は酸性過多になりがちなので、アルカリ性食材である野菜(果物もアルカリ性食材)を取り入れることは効果的である。

細胞壁の摂取

細胞壁は植物由来の生物にしか存在しない。この細胞壁はヒトでは消化できない物質で、これが野菜の吸収が遅くなる理由である。

この細胞壁を利用することで、「消化吸収速度を遅くする」という方法がとれるようになる。具体的にはトレーニング2時間前に食餌を摂取する場合に葉野菜を入れることで、本来食事後1時間で血糖値がピークになるところを2時間に遅くしてトレーニングパフォーマンスを上げることができる。また寝る前葉野菜を摂取して就寝時の栄養吸収を緩やかにすることも可能である。

細胞壁は野菜と果物にしか含まれず、サプリメントとしても摂取できないので独自性といえる。

最後に

この記事では野菜が必要である理由といらないといわれる理由を分析し、野菜の持つ独自性を解説した。この記事を読むことで野菜と筋トレの関係の基礎が理解できたはずだ。この記事を読むことで野菜が必要かどうかを自分で判断できるようになるはずだ。

野菜の独自性であるファイトケミカルについて、エピカテキンイソフラボン、ブロッコリーのスルフォラファンについては別記事で解説しているので興味があるヒトは見てほしい。

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