作用、摂取量、タイミング
エネルギー産出
ATPがADPに変換されるときにエネルギーが産出されるが、マグネシウムイオンはATP生成と消費におけるリン酸基移転反応の触媒として機能する。
テストステロン生合成だけでなく、ヒトの活動にはATPによるエネルギー産出が必須である。マグネシウムはエネルギー産出を補助するため、テストステロン生合成に限らず生命活動を円滑化させる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/swsj/64/4/64_4_202/_pdfより引用。
筋弛緩
カルシウムは筋収縮に必要なミネラルであるが、マグネシウムは筋弛緩に必要なミネラルである。トレーニング後などに対象筋が攣るのはハードトレーニングでカルシウムとマグネシウムが消費されたからである。
テストステロン生合成
マグネシウムはヒトの生命活動に関わる酵素を活性化させる役割がある。
https://bsd.neuroinf.jp/wiki/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%89より筆者編集。
1ラット実験であるが、マグネシウムが3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素と17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素を有意に活性化させ、血清テストステロンが増加したことが報告されている。
ラット実験なので、ヒトを対象にした場合に同様の結果が出るかはわからないが、マグネシウムの主作用が酵素活性であることを考えると、テストステロン生合成に関わる酵素が活性化すると考えることは見当違いではない。
コレステロール生合成調整
マグネシウムは脂質代謝に関する酵素の活性にも寄与する。
コレステロール生合成の律速因子はHMG-CoAである。これがHMG-CoA還元酵素を介してメバロン酸に変換される。スタチンはHMG-CoA還元酵素阻害薬で、脂質異常症や動脈硬化抑制目的で処方される。
23マグネシウムはスタチンと似た作用を持ち、コレステロールを含む脂質の代謝を調整する。コレステロールの生合成を抑制する形で働くので、ここだけ見るとテストステロン生合成を鈍化させそうだが、他の作用やその他の脂質代謝への効果を考えると、メリットの方が上回る。
摂取量、タイミング
4トレーニングによってマグネシウムイオンの排泄が増加するので、ハードなトレーニングを行った後に摂取すると良いだろう。
また筋弛緩作用があるため、睡眠前に摂取すると、副交感神経優位の状況を作りやすく待るため、睡眠の質向上に寄与する。
マグネシウムはテストステロン生合成に限らず生命活動を円滑にさせる作用を持つので、亜鉛やビタミンDといったテストステロン生合成に直接寄与する栄養素と同時に摂取すると良い。
マグネシウムはとりすぎるとコレストロールセ一世を抑制したり、吐き気などを起こす可能性がある。サプリメントで摂取する場合一日450㎎程度が推奨される。
まとめ
マグネシウムはテストステロン生合成に限らずヒトの生命活動を円滑に行うために必要なミネラルである。
主な作用としてエネルギー産出、3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素及び17β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素の活性化、コレステロールを含む脂質代謝の調整がある。
主な摂取タイミングは就寝前、トレーニング後、亜鉛及びビタミンD摂取時で、一日450㎎程度の摂取が推奨される。
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参考文献
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