骨格筋と筋肥大の生理学を解説。

はじめに

この記事の目的

①骨格筋の生理学を理解。骨格筋の分類、骨格筋がどのように構成されているのか、主に筋繊維の構造をメインに解説する。次に収縮単位である筋原線維の収縮がどのように起こるのかを解説する。筋肥大には筋原線維肥大と筋形質肥大があることを解説する。最後に筋収縮中に筋繊維にかかる刺激と筋肥大のトリガーについて解説する。

②骨格筋の生理学的分類であるⅠ型繊維とⅡ型繊維について解説する。概要とトレーニングとの関係を理解できる。

③筋肥大という現象を生理学的に分析する。トレーニングでオーバーロードを達成しないといけない必然が理解できる。

筋肉の分類

筋肉の構造

ヒトの身体には無数の筋肉が存在するが、それらの特徴によって分類分けすることができる。

まずは意識的に収縮することができるかどうかで随意筋と不随意筋に分けることができる。我々が筋力トレーニングを通じて肥大させる骨格筋は意識の支配下に存在するため随意筋である。一方で小腸や大腸などの臓器及び心臓は意識の支配下に存在しないことから不随意筋である。不随意筋の中でも心臓を心筋、臓器を平滑筋とも呼ぶ。これら不随意筋は神経や内分泌系によって無意識に運動する。

https://www.teachpe.com/anatomy-physiology/types-of-muscleより引用。「cardiac muscle:心筋、skeletal muscle:骨格筋、smooth muscle:平滑筋」

羽状筋と紡錘状筋

骨格筋はさらにその構造から羽状筋と紡錘状筋に分けることができる。羽状筋と紡錘状筋には、構造から導かれる特徴がある。羽状筋は紡錘状筋よりも筋力が強く、紡錘状筋は羽状筋よりも収縮する距離が長いことである。

紡錘状筋(左)と羽状筋(右)の筋断面積の比較。

筋力は筋繊維に垂直な筋断面積に比例するため、羽状筋の方が筋繊維に垂直な筋断面積が大きくなり筋力が紡錘状筋より強い。また羽状筋は紡錘状筋と比較して筋繊維が短く多数の筋肉が骨格筋に存在するため、筋繊維の生み出す力が大きくなり強い力を発揮できる。

紡錘状筋は筋繊維がほぼ平行に走行しているため、筋繊維が縮む距離と骨格筋全体が縮む距離は程同じになるが、羽状筋は1本の筋繊維が紡錘状筋と比較して短いため、筋繊維の収縮により短くなった距離は、骨格筋の全長からすると短い。このことから、紡錘状筋は羽状筋と比較してスピードを発揮することができる。紡錘状筋はスピードを要する運動、羽状筋は強い力や、スタミナを要する運動に反応しやすいと考えられる。

骨格筋の構造

骨格筋の基本構造。出典:Physiology of Sport and Exercise 5th edition p29

骨格筋の最小単位は筋原線維である。筋原線維と細胞質が細胞膜(筋鞘)で覆われた単位を筋繊維といい、筋繊維は筋内膜(Endomysium)で覆われている。そして複数の筋繊維が集まった単位を筋束(Fasciculi)といい、筋束は筋周膜(Perimysium)によって覆われている。筋周膜に覆われた筋束が複数集まった単位が骨格筋であり、骨格筋は筋外膜(Epimysium)に覆われている。筋外膜が筋繊維全体を覆いまとめる役割を持っている。

一つの単位のように見える骨格筋は、筋膜を境に筋束と筋繊維に分けることができ、それらと筋膜の関係は、ナイフとナイフの鞘の関係に似ている。

骨格筋は簡単に言うと筋繊維の集合体であると考えることができる。骨格筋の構造を理解することは筋繊維の構造を理解することともいえる。以下では筋繊維の構造を解説していく。最初に筋繊維を構成する組織について筋原線維とそれ以外に分けて解説し、次に筋繊維の中の筋原線維の役割である筋主縮について解説する。

筋繊維の構造

https://www.researchgate.net/figure/The-transverse-tubules-and-sarcoplasmic-reticulum-systems-Adapted-by-permission-from_fig2_266680796より引用。筋繊維の構造を表した図。

細胞膜(Plasmalemma)

細胞膜はすべての細胞に存在する膜であり、細胞内と外の環境を隔てる役割を持つ。筋繊維を覆う細胞膜は筋鞘ともいう。また筋繊維の細胞膜は活動電位が運動神経から筋繊維に伝達されることを補助する。筋繊維の細胞膜は筋収縮のトリガーが神経から筋繊維に移る場所である。

筋形質(Sarcoplasm)

筋形質とは、細胞でいう細胞質にあたる部位である。細胞膜と筋原線維の間を満たしている物質が筋形質である。筋形質は他の細胞の細胞質が持つ組織を含んでいるが、酸素を筋内細胞に供給する組織であるミオグロビンを含んでいる点、グリコーゲンを貯蔵できる点が細胞質と異なる。

ヒトの骨格筋は筋肥大という環境適応能力を持っており、我々はこの筋肥大の発生を目指してトレーニング、食餌、睡眠を主に管理する。この筋肥大には二つの様式があり、筋原線維肥大と筋形質肥大というものがある。このうちの筋形質肥大とは筋形質の体積が増えることで筋肉量が増加するというものである。

筋形質肥大のイメージ。

横行管、T管(Transverse tubules)

筋形質には、T管と呼ばれるネットワークがある。T管の役割は二つある。一つは細胞膜で受けた神経刺激を個々の筋原線維に伝達することである。もう一つは筋繊維内外の物質の通り道として機能することである。T管は筋繊維内外の通り道であり、ここを通して筋繊維内への物質の侵入や筋繊維外への老廃物の放出が行われる。

筋小胞体(Sarcoplasmic reticulum)

筋小胞体は筋繊維にみられる網目状のネットワークである。筋小胞体は神経刺激の伝達だけでなく、カルシウムイオンの貯蔵という役割を持つ。カルシウムイオンは筋収縮に必要不可欠である。後述する。

サテライト細胞

細胞膜の外側には基底膜と呼ばれる膜が存在する。これらの膜の間に存在する細胞をサテライト細胞という。サテライト細胞は損傷に反応して細胞の分化、回復及び増殖を促進するという役割を持つ。サテライト細胞の役割はIGF-1というホルモンの作用によって発揮される。

筋原線維(サルコメア)

筋原線維は骨格筋の最小単位で、筋原線維はサルコメアと呼ばれる筋収縮に関わる要素から構成される。

サルコメアは、心筋と骨格筋にみられ、化学的エネルギーを物理的動きに変換する骨格筋な収縮単位である。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC5056123/#:~:text=Striated%20muscles%20are%20highly%20organized,the%20body%20(cardiac%20muscle)参照。

それぞれの筋原線維は多くのサルコメアから構成されており、サルコメアはZ線を端に結合している。個々のサルコメアはZ線とZ線の間に、A帯、L帯、H帯、M線を持つ。

https://bukiya.net/blog/chesthomemenu/より筆者編集。

個々のサルコメアには2種類のフィラメントを見つけることができる。細い方をアクチンフィラメント、太い方をミオシンフィラメントと呼び、これらが骨格筋の収縮に寄与する。アクチンフィラメントとミオシンフィラメントの配置については上の図を見てほしい。

骨格筋の3分の2はミオシンフィラメントの主たるタンパク質であるミオシンである。個々のミオシンフィラメントは200個程度のミオシン分子によって形成される。

ミオシン分子は鎖のように撚り合わされた2つのタンパク質から構成されている。各鎖の一端は、ミオシン頭部と呼ばれる球状に折りたたまれている。ミオシンフィラメントは多くのミオシン頭部を含んでおり、ミオシン頭部は、ミオシンフィラメントから飛び出し、筋収縮の際に活性化されるアクチンフィラメントの特定の部位と結合する。ミオシンフィラメントには、ミオシンフィラメントを縦軸に沿って安定させる役割を持つ(titin)を含む配列がある。

アクチンフィラメントは、アクチン、トロポミオシン(tropomyosin)、トロポニン(troponin)により構成されている。アクチンフィラメントは、片方の端はZ線に停止し、もう片方はサルコメアの中心に伸び、ミオシンフィラメントの間に位置する。

アクチンはフィラメントの骨格を形成しており、個々のアクチンは球状タンパク質であり、互いに結合してアクチン分子の螺旋状の鎖を形成している。

トロポミオシンはチューブ状のタンパク質であり、アクチンの周りにねじれて存在し、トロポニンとアクチン鎖の間に一定の間隔で存在する。トロポミオシンとトロポニンは、カルシウムイオンとともに働き、筋原線維の弛緩の維持や、収縮の開始等の作用を持つ。

トロポニンは筋収縮で、トロポミオシンは筋収縮を阻害する形で、筋原線維の作用に関連する。

https://byjus.com/biology/difference-between-troponin-and-tropomyosin/#:~:text=Troponin%20and%20tropomyosin%20are%20two,contraction%2C%20tropomyosin%20blocks%20muscle%20contraction参照。

https://microbenotes.com/actin-vs-myosin/より引用。

筋肥大の中の様式の一つである筋原線維肥大は、収縮単位である筋原線維が太くなることで筋肉量が増加するというものである。筋原線維肥大は収縮単位が太くなるので、筋形質肥大と異なり筋肥大と共に筋力向上という結果が起こる。

筋原線維肥大のイメージ。

筋繊維の収縮

αモーターニューロンと神経伝達

外部環境とヒトの内部環境を繋ぐものは神経細胞(Neuron)である。外部環境による刺激が電位として神経を通ることで筋繊維に伝達され筋繊維の収縮が起こる。

神経は情報伝達に特化しており、活動電位は樹状突起からシナプスを通り、シナプスから樹状突起に伝達され…というのを繰り返す。

https://snn.hirlab.net/?s=2より引用。

神経から神経へと電位が伝達されるが、最後には神経から筋繊維に電位が伝達されないといけない。αモーターニューロンは筋繊維と接続し、その筋繊維を神経支配する神経細胞であり、活動電位を神経から筋肉に伝達する役割を持つ。そして一つのαモーターニューロンと、そのαモーターニューロンがシグナルを伝達するすべての筋繊維をまとめてモーターユニットという。

https://www.docplexus.com/posts/-the-pattern-of-motor-neuron-discharge-and-the-characteristics-of-the-motor-unitより引用。

活動電位がシナプスから筋繊維へと伝達する間を神経筋接合部(Neuromuscular junction)という。ここを通して活動電位が筋繊維に伝達される。

脳や脊髄から発せられた活動電位がαモーターニューロンに移動し、活動電位が軸索に近づくにつれて、神経終末が神経伝達物質であるアセチルコリンを放出する。アセチルコリンが細胞膜の受容体に十分結合すると、筋細胞内のイオンゲートが開き活動電位が全体に伝達される。これが筋収縮の情報が神経から筋繊維位に伝達される過程である。

筋収縮におけるカルシウムの役割

筋繊維に活動電位が伝達されると、活動電位はT管を通って細胞内へ移動する活動電位が到来することをトリガーに、細胞小胞体は蓄積していたカルシウムイオンを筋形質内に放出する。カルシウムイオンはトロポニンと結合して筋収縮の準備を整える役割を持つ。

筋収縮はミオシン頭部がアクチンと結合しアクチンを引っ張ることで起こるが、静止状態ではトロポミオシンがアクチン分子のミオシン頭部と結合する部分を覆っている。トロポミオシンが筋収縮を阻害する役割を持つのはこれが理由である。カルシウムイオンはトロポニンと親和性があり、トロポニンと結合してトロポニンが収縮する。これによってトロポミオシンによって覆われていたアクチン分子のミオシン頭部との結合部があらわになり、ミオシン頭部との結合が可能になるのだ。

フィラメント滑り理論

ここまでで活動電位が筋繊維に伝達され、カルシウムイオンがトロポニンと結合し、筋収縮する準備ができた。最後にフィラメント滑り理論で筋収縮が発生するまでの過程を理解する。

フィラメント滑り理論とは、ミオシンフィラメントがアクチンフィラメントを引っ張ることで筋収縮が発生することを説明した理論である。サルコメアは筋原線維の端と端でつながっているのでサルコメアが収縮すると筋原線維が収縮し組織的な収縮が発生する。

フィラメント滑り理論はオーバーヘッドケーブルカールに似ている。ケーブルを引っ張るようににミオシンがアクチンを引っ張ることで、サルコメアの収縮が発生するとされている。

ケーブルカールでケーブルを自分の身体に引っ張るように、ミオシン頭部は頭部を傾けてアクチンの活性部位と結合してアクチンをサルコメアの中心であるH線の方に引きずる。このミオシン頭部の傾きをPower strokeという。こうしてサルコメアが短くなり力が発生する。Power strokeは動的な過程なのでエネルギーが必要である。ミオシン頭部にはアクチン結合部に加えてATP結合部がある。

https://organismalbio.biosci.gatech.edu/chemical-and-electrical-signals/effectors-and-movement/より引用。

ミオシン頭部はPower strokeが終わると、アクチンの活性部位から離れ元の場所に戻る。そしてアクチンフィラメントに沿って遠くの新しい活性部位に付着しPower strokeを繰り返す。これによりフィラメントが互いに滑りあうようにサルコメアが収縮するため、フィラメント滑り理論と呼ばれる。この過程はミオシンフィラメントの端がZ線に近づくか、カルシウムイオンがパンプし、細胞小胞戻るまで続く。

筋収縮は、筋小胞体内のカルシウムが利用できる間は継続することができる。筋収縮が終わると、カルシウムは筋小胞体に引き戻され、新しい活動電位が細胞膜に着くまで貯蔵される。筋小胞体のカルシウムが放出されることで筋収縮が起こり筋小胞体にカルシウムが取り込まれることで筋肉は弛緩するといえる。カルシウムを筋小胞体に取り込む際にはカルシウムポンプが活動するが、この活動にもエネルギーが必要であり、筋収縮も筋弛緩もともにATPを必要とする。

カルシウムが筋小胞体に引き込まれると、トロポニンとトロポミオシンが静止状態に戻る。これによりミオシン頭部とアクチンのミオシン結合部との結合が阻害されATPが使用されなくなる。結果としてミオシンフィラメントとアクチンフィラメントが元の弛緩した状態に戻る。

以上がフィラメント滑り理論による筋収縮及び筋弛緩のメカニズムである。

筋収縮中に筋繊維に発生する刺激

ここまでで骨格筋の構造と筋収縮のメカニズムが理解できた。ここでは筋収縮中に筋繊維に発生する刺激について解説し、それぞれが筋肥大にどう関係するのかを解説する。

マスキュラーダメージ

マスキュラーダメージとはまさしく筋繊維の損傷である。

骨格筋がマスキュラーダメージを受けると、筋繊維の細胞膜と基底膜の間が損傷し、身体は損傷を治すために成長因子を放出する。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10805959/参照。

マスキュラーダメージは、コンセントリック収縮やアイソメトリック収縮と比較してエキセントリック収縮にて発生する。これは、ヒトの骨格筋はエキセントリック収縮で発揮される筋力がほかの収縮様式と比較して大きく、骨格筋を破壊しやすいからである。また慣れていない運動の方がマスキュラーダメージが発生しやすい。

マスキュラーダメージとサテライト細胞、そしてIGF-1は密接な関係がある。マスキュラーダメージによって損傷を受ける細胞膜と基底膜の間にサテライト細胞が存在しており、サテライト細胞が活性化する。

マスキュラーダメージはサテライト細胞の持つ細胞の分化、回復及び増殖を活性化させるトリガーと考えられる。筋繊維の損傷により、損傷筋繊維由来因子が発現し、サテライト細胞の分化、増殖が活性化する。

https://www.amed.go.jp/news/release_20200904-01.html参照。

IGF-1とは下垂体前葉で分泌された成長ホルモンを基に肝臓で生成されるホルモンで、サテライト細胞にある受容体と結合することで作用を発揮する。

マスキュラーダメージによって活性化したサテライト細胞にある受容体であるIGF1Rに、体内で分泌されたIGF-1が結合することで細胞の増殖と分化が促進される。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12891709/及びhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11007571/参照。

筋ダメージによって活性化したサテライト細胞にIGF-1が作用することで、筋繊維が新たに形成されると示唆されている。これは筋形成(Hyperplasia)とも呼ばれる。

ここまでマスキュラーダメージについて解説してきたが、筆者はマスキュラーダメージによる過形成を実現し、過形成によって筋肉量を増加させることは難しいと考えている。というのも青年期以降のヒトでの過形成を報告する文献や研究がほとんど存在せず、再現性が低いからである。

IGF-1は筋肥大には効果的である。というのもタンパク質合成に寄与するmTOR等のタンパク質合成のスイッチとなる分子を刺激するからである。筋形成を通じての筋肉量増加は、ヒトで報告例が少なく再現性にかけるため現実的ではない。

筋収縮の過程で発生するマスキュラーダメージは筋肥大にさほど貢献しないと思われる。

メタボリックストレス

メタボリックストレスは筋収縮を通じて分泌されるホルモンや、蓄積される代謝物によって筋繊維に与えられる刺激である。

トレーニングを通じて内因性のホルモンが分泌される。IGF-1や成長ホルモン、テストステロンといった筋肥大に貢献するホルモンはトレーニング中に分泌され、特に中~高回数のトレーニングで分泌される。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2262468/https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/8458810/https://journals.physiology.org/doi/full/10.1152/ajpendo.2001.280.3.E383?rfr_dat=cr_pub++0pubmed&url_ver=Z39.88-2003&rfr_id=ori%3Arid%3Acrossref.org参照。

内因性ホルモンが筋肥大に貢献する程度は極めて低いと考えられる。内分泌系ホルモンは確かに筋肥大に貢献するが、それが貢献する場面は筋肥大というトリガーが発生してから筋肥大という結果が起こるまでの過程である。内分泌系ホルモンはせいぜいトレーニング後3時間程度しか増加せず、かつ外部投与される量と比較すると量が少なく局所的である。そして内分泌系ホルモンは筋肥大のトリガ―ではないことから、内因性ホルモンによる筋肥大効果はさほど高くない。

メタボリックストレスによる代謝物の蓄積は筋形質肥大のトリガーになると考えられる。代謝物としては乳酸や水素イオン、無機リン酸やクレアチンなどがあげられる。これらの代謝物は無酸素解糖系をエネルギー供給系として主に使用する運動で蓄積される。無酸素解糖系は6~12レップの動作で支配的になる。

メカニカルテンション

メカニカルテンションとは、筋繊維にかかる物理的張力である。この物理的張力こそが筋肥大の中でも筋原線維肥大発生のトリガーと考えられている。

筋繊維にかかるメカニカルテンションを最大化するためには、爆発的挙上、フルレンジで行うこと、エキセントリック収縮を適切に行うことが重要となる。というのもメカニカルテンションは基本的にエキセントリック収縮時に発生するからである。

コンセントリック収縮を爆発的に挙上することで、仕事率が高くなるとともにⅡ型繊維も多く動員される。

先に述べたが筋収縮にはエネルギーが必要になる。神経伝達のためのカルシウム、水の引き込みのためのナトリウム、ATP産出のためのグリコーゲンなどである。コンセントリック収縮をゆっくり行うと筋収縮の時間が長くなり限りあるエネルギーを使ってしまう。一方で骨格筋が引き伸ばされているときはエネルギーを要しない。このことは筋主縮のメカニズムから理解できる。このことからコンセントリック収縮を爆発的に行ったほうが全体で筋繊維にかけられるメカニカルテンションが多くなる。

エキセントリック収縮は、ストンと落とすよりも時間をかけて降ろした方が良い。ただ意図的にゆっくりと降ろすとかえって腱の動員を高めてしまうので注意。感覚としてはグッグッと途中で動きを止めながら降ろさない感じである。

Ⅰ型繊維とⅡ型繊維

ここまでで骨格筋の構造と収縮について理解でき、筋繊維の収縮時に筋繊維にかかる刺激を解説し筋肥大のトリガーについて理解できた。

ここでは運動中の骨格筋の機能について説明する。まず筋繊維のタイプであるⅠ型繊維とⅡ型繊維について解説しそれらの差異を理解する。次に運動と筋繊維タイプの関係を説明し、最後に、トレーニングにおける筋繊維タイプの関係について説明する。

筋繊維タイプ

筋繊維すべての特性が全く同じであるということはない。単一の骨格筋は、収縮速度と最大の力を発生させる能力の異なる筋繊維を含んでいる。筋繊維これらの特徴からⅠ型繊維(slow-twitch、遅筋)とⅡ型繊維(fast-twitch、速筋)に分けられる。Ⅱ型繊維の方がⅠ型繊維よりも最大張力に達するまでの速度が速い。

ヒトの場合、Ⅰ型繊維は1種類しか存在しないが、Ⅱ型繊維はさらに、Ⅱa型、Ⅱx型に分類することができる。タイプごとの違いは完全には解明されていないが、Ⅱa型繊維が他のⅡ型繊維より頻繁に運動に採用され、Ⅰ型繊維がⅡa繊維より頻繁に運動に採用される。そして、Ⅱx型繊維が最も使用頻度が低いとされている。

筋繊維の構成比について、多くの筋肉が、50%のⅠ型繊維、25%のⅡa型繊維で構成されており、残りの25%をⅡx型とⅡc型繊維という筋繊維が構成し、そのうちⅡc型は1~3%ほどしかない。このような構成比であるから、Ⅱc型繊維の特性にはわからないことが多い。また運動に占める役割がほとんどないため、以降Ⅱc型繊維についての説明は行わない。この構成比はおおよそを表したもので、筋繊維の構成比は骨格筋の部位、個人によって異なる。個人による筋繊維タイプの違いと、それが筋力トレーニングに与える影響については後述する。

https://neuromuscular.wustl.edu/pathol/fibtype.htmより引用。筋繊維の断面図を電子顕微鏡で観察したもの。黒い筋繊維がⅠ型繊維、一番白い筋繊維がⅡa型繊維、黒と白の中間の筋繊維がⅡx型繊維、Ⅱx型繊維のうちさらにやや黒い筋繊維がⅡc型繊維である。

Ⅰ型繊維とⅡ型繊維の特徴と違い

Ⅰ型繊維とⅡ型繊維は収縮速度と最大張力に差があるが、この差を生み出すための利害が両方にみられる。以下では差を生み出す3つの違いを解説する。

ミオシン頭部がアクチンに結合する際にはATPを消費する必要があり、ミオシン頭部にはATPaseといわれる酵素がみられる。ATPaseは加水分解を通じてATPをADPとリン酸に分解し、筋収縮を発生させるためのエネルギーを放出する酵素であり、Ⅰ型繊維は遅いタイプのミオシンATPaseを持ち、Ⅱ型繊維は速いタイプのミオシンATPaseを持つ。そのため、Ⅱ型繊維ではⅠ型繊維より速くATPが分解され、結果としてⅠ型繊維より速い収縮を実現している。

Sarcoplasmic reticulumはカルシウムを貯蔵する役割を持ち、カルシウムイオンが放出されトロポニンが収縮することでミオシン頭部がアクチンと結合し筋収縮が発生する。Ⅱ型繊維は、Ⅰ型繊維よりも発達したSarcoplasmic reticulumを有している。これは、Ⅱ型繊維が刺激を受けた際より多くのカルシウムイオンを筋肉細胞に与えることができることを意味しており、これによってⅡ型繊維はⅠ型繊維より速い収縮を実現している。Ⅱ型繊維とⅠ型繊維の直径が同じであれば、発揮される力の総量は同じと考えられるが、筋繊維の収縮速度の関係からⅡ型繊維の方が同じ直径だとしても3~5倍程度速く収縮できる。これは、同じ大きさの脚を持つ人でもⅡ型繊維が多い方が短距離走で有利なことを説明している。

α運動ニューロンは筋繊維を結び支配する神経であり、1つのα運動ニューロンとそれによる神経伝達が起こる筋繊維のすべてをまとめてモーターユニットという。Ⅰ型繊維を神経支配しているα運動ニューロンの細胞体はⅡ型繊維を神経支配しているそれよりも小さく、Ⅰ型繊維のモータユニット内の筋繊維数はⅡ型繊維のモーターユニット内の筋繊維数よりも小さい。これはⅠ型繊維のα運動ニューロンが支配する筋繊維を刺激した際、Ⅱ型繊維の運動繊維が刺激した際よりも弱い収縮が起こることを意味しており、結果としてⅡ型繊維はⅠ型繊維よりも速く最大張力に到り、強い力を生み出すことができる。

Ⅰ型繊維とⅡ型繊維の運動への動員のされ方はサイズの原理に基づいて理解することができる。このサイズの原理を理解することがトレーニングで多くの筋繊維を動員することのキモとなる。ここら辺のことに関しては筆者の「トレーニングで多くの筋繊維を動員する理論と方法」で詳しく解説しているのでここでは触れない。

筋繊維タイプと筋肥大の関係

ここまでで筋繊維タイプの違いを解説してきた。ここからは、筋繊維のタイプによる筋肥大の違い、筋繊維の割合、筋繊維の変化についての研究を参照して筋繊維のタイプと筋肥大の関係について考察する。

Ⅰ型繊維の筋肥大

筋繊維タイプの特徴から、Ⅱ型繊維の方がⅠ型繊維よりも筋肥大しやすいことが分かる。というのもⅠ型繊維はⅡ型繊維よりも持久的運動に働くので、ヒトの身体にとって肥大させるメリットが少ないからである。Ⅰ型繊維の筋肥大は発生するのか。

Ⅰ型繊維は漸進的過負荷を与えた場合Ⅱ型繊維と同様に筋肥大することが報告されている。また持久的運動では筋繊維の肥大が見られなかった。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11350263/及びhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29447936/参照。

以上のことから、Ⅰ型繊維は十分な負荷を与えた際にはⅡ型繊維と同様に肥大すると考えられる。サイズの原理より、Ⅱ型繊維が動員されるためにはⅠ型繊維も動員されないといけないことから、トレーニング動作は爆発的挙上が基本になる。

筋繊維タイプの割合は先天的か後天的か

Ⅰ型繊維は筋肥大するが、筋繊維の役割から考えてⅡ型繊維よりも筋肥大しにくい。例えばヒラメ筋は全体の80%以上がⅠ型繊維であり、これが筋肥大しにくい理由とも考えられる。そして筋繊維タイプの割合というのは同じ部位であっても個体差が存在する。

以上のことから先天的にⅡ型繊維が多い人の方が筋肥大が起こりやすいとも考えられる。筋繊維タイプは先天的な要素なのかそれとも後天的な要素なのだろうか。

1977年に行われた研究では、一卵性双生児と二卵性双生児でのⅠ型繊維とⅡ型繊維の割合について調査された。二卵性双生児と異なり一卵性双生児の男子と女子は、筋繊維の割合がほとんど同じであった。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/199045/参照。

このことから、生まれた時点での筋繊維の割合は先天的に決定し個体間で異なることが分かる。

運動習慣の異なる一卵性双生児の筋繊維の割合と運動パフォーマンスについて30年間にわたり調査した研究を見てみよう。この研究の被験者の一卵性双生児の男性のうち、片方は継続的に持久的運動を行い、もう片方の男性に運動習慣はなかった。結果として、運動習慣のある男性はⅠ型繊維の占める割合が多く、運動習慣のない男性のⅠ型繊維とⅡ型繊維の割合は、半々程度だった。

https://www.researchgate.net/publication/326398362_Muscle_health_and_performance_in_monozygotic_twins_with_30_years_of_discordant_exercise_habits参照。UT:一卵性双生児のうち運動習慣のない男性、TT:一卵性双生児のうち運動習慣のある男性。

以上の研究から、筋繊維の割合は先天的に決定するが、筋繊維の割合は運動習慣によって後天的に変化することが分かる。

純粋筋、ハイブリット筋

筋繊維の割合は先天的に決まるが、後天的に変化するのだが、このような事態が発生するのは、Ⅰ型繊維とⅡ型繊維の中に純粋筋とハイブリット筋というものが存在するからである。

Ⅰ型繊維とⅡa型繊維、Ⅱx型繊維には、純粋筋という特定の筋繊維の性質のみを持つ筋繊維と、ハイブリット筋と呼ばれる他の筋繊維の持つ性質を併せ持つ筋繊維が存在することが明らかになっている。

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC1148850/及びhttps://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31784473/参照。

研究によると、トレーニングの性質によりⅠ型繊維のハイブリット筋はⅠ型繊維かⅡa型繊維に、Ⅱa型繊維のハイブリット筋はⅡa型繊維かⅡx型繊維に、Ⅱx型繊維のハイブリット筋は1型繊維かⅡa型繊維かⅡx型繊維へと変化することができると示唆されている。

さらに、継続的に運動を行う者は、筋繊維全体にⅠ型繊維とⅡa型繊維の割合が高くなる傾向にある。

https://www.hituni.com/exercise/impact-training-muscle-fiber-types/より引用。運動習慣のない人、筋力トレーニング初中級者)、ウエイトリフター上級者、長距離走者の筋繊維の割合を示した図。 継続的にトレーニングを行うと、持久力が必要となり、Ⅰ型繊維とⅡa型繊維の割合が高くなると示唆される。(MHCⅠ:Ⅰ型純粋筋、MNCⅠ/Ⅱa:Ⅰ型ハイブリット筋、MHCⅡa:Ⅱa型繊維、MHCⅡa/Ⅱx:Ⅱa型ハイブリット筋、MHCⅡx:Ⅱx型純粋筋)

Ⅰ型繊維の多い部位は高回数が良くⅡ型繊維の多い部位は低回数が良いといわれるが、Ⅰ型繊維の多いカーフの筋肥大効果を低回数群(20~30回)と高回数群(6~10回)で比較した研究では筋肥大に有意差がないことが報告されている。カーフのトレーニングで高回数が選ばれる理由は低回数の方がカーフ以外の筋肉を使って動作することを抑制できるからだろう。これは腹筋のトレーニングで低回数が選ばれる理由とも似ており、筋繊維タイプを理由にしてはいない。

筋繊維のタイプに関係なく筋肥大は発生すること、筋繊維のタイプは運動習慣に依存して後天的に変化すること、行うトレーニングに依存して最適な筋繊維比率に変化することを考えると、筋繊維のタイプを考慮してトレーニングを変える必要なほぼないだろう。

恒常性を基に筋肥大を解説。

筋肥大は、筋肥大のトリガー→筋肥大発生機序→筋肥大という流れで発生する。ここでは筋肥大のトリガーについて恒常性の観点から解説する。筋力トレーニングで筋肥大のトリガーを引き起こす必要があること、そのためには漸進的オーバーロードが必然であることが理解できる。

恒常性と筋肥大の関係

ヒトの身体の生理学的現象は、身体の恒常性の維持のために発生する。恒常性とは、身体が生存し正しく機能するために必要な身体のシステムのバランスが取れている状態をいい、恒常性を通じて体内レベルが体内外の変化に対応して正常なレベルに維持される。

https://byjus.com/biology/homeostasis/より引用。①外部環境の変化に伴う恒常性の一時的破壊→②受容器の変化の受信→③コントロールセンターへのシグナル→④ストレス応答、といったサイクルを通して環境適応という形で身体の恒常性は維持される。

指をナイフで切った時を想像する。ナイフによる出血は、恒常性サイクルの中の外部環境の変化に伴う恒常性の一時的破壊である。出血が回復しないとヒトは出血多量で死ぬ。この出血がヒトの身体に伝達され、ヒトの身体はコルチゾールを分泌する。このコルチゾールによってヒトは体内のタンパク質を分解し出血を止めるための血小板を増加させたり、身体に異物が侵入し免疫機能が低下することを防止するために白血球を増加させたりする。

以上のサイクルで切り傷での出血が止まりいつもの生活を営むことができる。恒常性の回復である。

上記の出血の際のヒトのカラダの反応はまさに恒常性サイクルであり、ヒトの持つ生理学的機能はすべてこの側面を持つ。そして筋肥大もこれに従う。

筋肥大は身体の持つ環境適応能力の一つで、ヒトは特定の恒常性の一時的破壊を、既存の筋繊維を太くする(=筋原線維肥大)若しくは細胞膜を大きくする(=筋形質肥大)によって克服する。ヒトは身体の外部環境の変化による恒常性の破壊に対して、筋肥大という形で反応する。

筋肥大のためのトレーニングの持つ必然

筋肥大のためのトレーニングが持つ必然は、恒常性の一時的破壊である。これこそが筋肥大のトリガーである。我々は筋肥大のために、自分の意志でトレーニングを通して恒常性を一時的に破壊しないといけない。

恒常性サイクルと筋肥大というヒトの能力から、筋肥大を目的とする筋力トレーニングは恒常性を一時的に破壊するための行動であるといえるだろう。恒常性サイクルを基に筋肥大の一連の流れを示すと以下のようになる。

①筋力トレーニングにより恒常性が破壊される。(=筋肥大のトリガー)

②恒常性破壊を身体の受容器が受信する。

③体内がシグナルを感知し、ホルモン分泌が変化する。

④筋肥大によってで恒常性の一時的破壊を克服。(=環境適応)

筋力トレーニングを通じて恒常性の一時的破壊はどのようにして起こすか。筋肥大がストレス応答に対する環境適応能力であることを考えると、前回のトレーニングよりも1%でもいいから過負荷を達成することで恒常性が破壊されることになる。筋力トレーニングで恒常性を破壊できたなら、身体が刺激を受信しホルモンの分泌を変化させる。そして休養を取り栄養を摂取することで筋肥大が達成される。

また筋肥大の持つ環境適応という特徴から、筋肥大を継続して達成するためには、筋力トレーニングの負荷は漸進的に高くなる必然がある。ヒトは100㎏の重りを挙げることができないからそれを筋原線維肥大という形で挙げられるようにする。またトレーニング中の代謝物の蓄積やパンプに筋形質の容量が耐えられないので、筋形質肥大という形でそれを克服する。

100kgの重りを10回挙げることができたのなら、同じ重さを同じ回数扱ったとしても筋肥大する必要はなく、筋肥大を達成するためには次は101㎏に挑戦したり、11回に挑戦する必要がある。この原則をオーバーロードという。

筋肥大というヒトの持つ環境適応能力を引き出すには、筋力トレーニングで一時的に恒常性を破壊しなければならず、恒常性破壊には継続的なオーバーロードが達成されないといけない。これは筋肥大のためのトレーニングの共通事項である。

筋肥大のためのトレーニング方法

筋肥大のためのトレーニング方法

筋肥大がヒトの持つ生理学的機能の一つであることが理解できた。そして筋トレではオーバーロードの達成が必須ということも理解できた。これは生理学的真理であり、ヒトがヒトである以上変わることはない。トレーニング方法は手段が異なるだけでオーバーロードを達成するという目的は同じである。

筋トレは登山や数学に似ている。登山は目的である登頂を複数のルートから目指すことができる。数学では一つの答の導き方は複数ある。筋肥大を達成しているヒトはそれぞれ独自のトレーニング方法を持っている。「筋肥大とはヒトの持つ環境適応能力の一つで、筋力トレーニングでは一時的恒常性破壊を起こすことが目的」という原則は変わらないが、その原則を導くトレーニング方法は複数あるのだ。

https://trickytour.jp/fuji/column/beginners.htmlより引用。富士山の登山ルートには複数の登山ルートがあり、登頂速度、初心者向け、景観等の特徴がそれぞれのルートに存在するが、最終的にはどのルートも頂上に到達する。

様々なトレーニング方法が存在するが、原則さえ遵守しているなら好きなものを選べばよい。ただ漸進的にオーバーロードしないといけないので、ケガをしないトレーニング方法と種目を選ぶようにはしよう。

また特定のトレーニング方法は結果が出るまでに時間がかかるので、これだと決めたトレーニング方法は最低でも半年程度は続けてほしい。登山でもAルートで5合目まで登ってBルートに移動したりもう一度Aルートに戻ったりすると頂上にはたどり着かない。

論文で自分の好きなトレーニング方法や種目の効果がないとされていても、被検者とあなたの環境や性質、骨格は違うし、結果などはいつも同じではない。論文は参考にする資料の中でもマシなものであるが、研究や実験の仕方では結果を恣意的に操作することもできる。論文作成の期間や費用、環境が整っていないない場合はなおさらである。

自分に合うと思いそれで怪我無く筋肥大できていたら、その種目と方法はあなたにとっては正解である。

このブログでは目的を筋肥大、つまり漸進的オーバーロードとし、「運動する多くの筋繊維に、ケガ無く、メカニカルテンションを与える」という方法で目的を達成する。そしてオーバーロードは、週当たりではなく1セッションで区切り管理を容易にする。

まとめ

この記事では骨格筋と筋肥大について生理学的な観点から解説した。骨格筋の構造と機能による筋繊維タイプの違い、筋収縮のメカニズムが理解できた。また筋収縮の過程で筋繊維にかかる刺激と、筋肥大のトリガーが理解できた。

最後に恒常性の観点から筋肥大を考察し、筋肥大という結果を起こすためには、筋力トレーニングでオーバーロードを達成する必然があることが理解できた。そして継続的に筋肥大を起こすためには漸進的にオーバーロードを管理する必要がある。

トレーニング方法は多様であるが、重要なのはどのトレーニング方法を選ぶか、優れているかではなく、そのトレーニングであなたがオーバーロードが達成できるかでである。どの方法であってもあなたが怪我無くオーバーロードを達成できている限り、そのトレーニングはあなたにとって正解である。

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