【筋トレと健康】脂肪分解(減量)のメカニズムを科学的に解説

このような悩みを持っていないだろうか。

・脂肪が落ちない原因が分からない。

・自分の努力が効率的であるか知りたい。

・減量の仕組みを知りたい。

この記事ではこれらの悩みを解決していく。

これらの悩みを解決するために、この記事では脂肪分解のメカニズムを解説する。メカニズムを理解することで、読者の脂肪が落ちない原因がどこにあるか理解でき、具体的にどのようなことをすると目的が達成できるかわかるようになる。

この記事では脂肪分解のメカニズムについて解説する。具体的施策はこちらで解説しているので合わせて読むことを推奨する。

ヒトの脂肪分解過程は大きく3つに分類できる、体脂肪(トリグリセリド)を脂肪酸とグリセロールに分解する過程、脂肪酸をミトコンドリアに運搬する過程、ミトコンドリアで脂肪酸からATPが生成される過程だ。この記事ではこれらの過程で何が起こっているか解説する。

この記事を書いている筆者は筋トレを5年間行っており、ボディビルダーを目指し研究と実践を繰り返している筋トレオタクである。またフィットネスクラブでの勤務経験があり初心者のシェイプアップに成功した経験もある。このような筆者が脂肪分解のメカニズムを解説しよう。

脂肪分解のメカニズム

体脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解するまで

血糖値の低下を主として、運動、寒冷刺激等が脂肪燃焼のトリガーとなる。なぜならそれらの刺激がカテコールアミンの分泌を促進するからだ。

カテコールアミンは脂肪細胞の受容体に結合することで、脂肪分解を促進するホルモン感受性リパーゼ(以下HSL)が体脂肪に作用を発揮するようになる。

体脂肪は脂肪滴という組織で構成されており、脂肪滴はまるで植物の細胞壁のように、ペリリピンという膜タンパク質に覆われている。

ペリリピンによって体脂肪にHSLが常に作用することが抑制される。カテコールアミンが脂肪細胞の受容体に結合するとアデニル酸シクラーゼが活性化しcAMPを増加させ、プロテインキナーゼA(タンパク質リン酸化酵素。以下PKA)が活性化する。PKAはペリリピン及びHSLをリン酸化させそれらの構造を変化させる。

こうして脂肪滴を覆っていたペリリピンのガードがはがれHSLが体脂肪に作用する。

以上のメカニズムで体脂肪が加水分解を通して脂肪酸とグリセロールに分解される。

https://www.mdpi.com/2227-9717/7/12/881より引用。

脂肪酸がミトコンドリアに運搬されるまで

脂肪酸がミトコンドリアに運搬されるためには、リポタンパク質の形成とカルニチンとの結合が必要になる。なぜなら脂肪酸はそのままの形で血管及びミトコンドリアを通過することができないからだ。

脂肪酸はそのままの形では血管内を移動できないので、タンパク質と結合してリポタンパク質を形成する。

その後細胞内に吸収された脂肪酸が細胞質内に入ると補酵素と結合しアシルCoAとなる。アシルCoAはミトコンドリアの内膜を通過することができないので、カルニチンと結合してミトコンドリア内膜を通過してマトリックスに入る。その後アシルCoAはカルニチンとの結合を解き、β酸化の準備を開始する。

以上のメカニズムから、脂肪酸がミトコンドリア内に運搬されるためにはリポタンパク質の形成とカルニチンとの結合が必要と分かる。

β酸化からクエン酸回路まで

ミトコンドリア内に運搬された脂肪酸はβ酸化を通してアセチルCoAに変換される。β酸化とはアシルCoAからアセチルCoAを生み出すことで、アシルCoAのβ位の炭素を遊離して酸化反応を行うことが名前の由来である。

https://kusuri-jouhou.com/creature1/beta-oxidation.htmlより引用。

β酸化を通じて生成されたアセチルCoAはクエン酸回路の原料になる。クエン酸回路はアセチルCoAを二酸化炭素と水に分解しながら、ATPを生成する経路である。

https://basishealth.io/blog/know-your-power-source-the-bodys-three-energy-systemsより引用。

ここまでが脂肪燃焼、つまり体脂肪がATPに変換されるまでに起こっている一連の流れである。

ちなみにクエン酸回路はATPを生成するだけでなくプロトンという物質を産出する。これが電子伝達系で酸素と結合し水に代謝される過程で多くのATPが生成される。クエン酸回路の目的はそれ自身によるATP生成よりも電子伝達系の材料産出にある。

最後に

この記事では脂肪分解のメカニズムを科学的に解説した。

脂肪燃焼は、①体脂肪の脂肪酸とグリセロールへの分解、②脂肪酸のミトコンドリアへの運搬、③ミトコンドリアでのATPを生成、の3つの過程に分けられる。

カテコールアミンがHSLを活性化し脂肪分解を促進し、脂肪酸はリポタンパク質やカルニチンと結合し運搬後、β酸化でアセチルCoAに変換されクエン酸回路を経てエネルギー産生に利用される。

この記事が読者の脂肪分解についての疑問を解決できたならうれしい。

この記事を読んだヒトはこちらの記事も読んでほしい。脂肪分解メカニズムに基づいた脂肪燃焼を促進する具体的施策について解説している。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です