メカニズムと応用
論文
グルコースとフルクトースの同時摂取が、トレーニング後のリカバリーを速めることが報告されている。
https://www.mdpi.com/2072-6643/9/4/344?utm_source=chatgpt.com参照。
https://europepmc.org/article/MED/31166604?utm_source=chatgpt.com参照。
グルコース単品よりも、フルクトース同時摂取の方が、トレーニングパフォーマンスが上がり、トレ後の肝臓と骨格筋のグリコーゲン回復が速いとされる。これはなぜか。
メカニズム
グルコースとフルクトースの代謝経路。https://www.nutri.co.jp/nutrition/keywords/ch2-2/より引用。
グルコースとフルクトースは、小腸から血液中に取り込まれる。グルコースに関してはSGLT1から取り込まれる。ただこのSGLT1は無限に存在しない。一方でフルクトースはGLUT5輸送体を介して小腸から取り込まれる。
グルコースとフルクトースは、別の経路で血液に取り込まれるので、同時摂取の方が多くの単糖類を速く吸収できる。
実践
ではこの知識をボディビル及び筋トレでどのように使うことができるか。一番使用できる時間はトレーニング後だろう。トレーニング後は骨格筋のインスリン感受性が一日で最も高い時期の一つで、早急にグルコースとアミノ酸を摂取し、骨格筋のリカバリーと、アナボリック環境構築を行う。
先の研究では、フルクトースとグルコースの摂取比率を1対2の割合にすることで、グルコース単品摂取よりも持久運動のパフォーマンスが増加したと報告されている。
SGLT1は十二指腸から回腸末端部、大腸で発現が確認された。GLUT2 は、回腸末端部を除いて小腸に局在して発現した。GLUT5はGLUT2と類似の発現パターンであった。
この研究は、マウス実験であるので、ヒトに完全には当てはまらないが、フルクトースをグルコースよりも多く摂取することは、筋トレ及びボディビルにおけるメリットはなさそうである。トレーニング後に果物1個摂取するくらいでフルクトース摂取は十分だろう。
フルクトースを含む食材としてはシロップや果物がある。果物であれば何でもよい。
まとめ
グルコースとフルクトースは異なる輸送体から吸収され、輸送体の数には限度があるため、同等の単糖類の量であっても、グルコース単品よりもフルクトースとの同時摂取の方が吸収速度が速くなる。
このメカニズムは、トレーニング後の回復とアナボリック環境構築のために応用することができる。フルクトースよりもグルコースを多く摂取したほうがこの効果を最大限発揮できると考えられる。フルクトース源は果物であれば何でも良さそう。
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