はじめに
この記事では、L-カルニチンについて解説する。L-カルニチンは筋肥大と健康を最適化するうえで知っておくべき栄養素である。なぜならそれが脂肪燃焼とテストステロン最適化に関係するからだ。
この記事では、L-カルニチンの持つ作用について解説する。
作用
脂肪燃焼効果
L-カルニチンの摂取は脂肪燃焼に寄与する。なぜなら、L-カルニチンは脂肪酸がミトコンドリア内に移動するために不可欠だからだ。
トリグリセリドから分解された脂肪酸血管に輸送される。血管に輸送された脂肪酸は直接ミトコンドリア膜を通過することができないため、L-カルニチンと結合し複合体となることでミトコンドリア内に輸送されβ酸化を受ける。つまりL-カルニチンが不足するとミトコンドリアへの脂肪酸輸送効率が下がる。
以上のことから、L-カルニチンの摂取は脂肪燃焼に置いて重要である。
脂肪燃焼のメカニズムについてはこちらで解説しているので参照してほしい。
アンドロゲン受容体活性化作用
L-カルニチンを摂取することが、アンドロゲン受容体の数を増加させることが報告されいている。
L-カルニチン酒石酸エステル( L-Carnitine Tartrate)とレジスタンス運動後の食餌摂取がアンドロゲン受容体とホルモン反応に与える影響を評価することを目的にした研究では、L-カルニチン摂取がアンドロゲン受容体の発現を増加させることが報告された。
被検者は10人の男性で、年齢22±1歳、体重86.3±15.3㎏、身長181±11㎝。スクワットを含むレジスタンストレーニングを1年以上経験している。実験参加12週間前にクレアチンを摂取していた被験者を除外している。
期間は21日で、L-カルニチン酒石酸エステル(L-カルニチン500mg、L-タルトレート236mg)を朝食と昼食時にそれぞれ2カプセルを摂取するよう指示され、1日の総摂取量は2gとなった。
トレーニングは午前8時から10時の間に実施され、内容はスクワット、ベンチプレス、ベントオーバーロー、ショルダープレスの4種目を各10回×4セット、合計16セットインターバル2分である。
この研究で分かったことは、運動前1000㎎のL-カルニチン摂取によりアンドロゲン受容体が有意に増加したこと、レジスタンストレーニングによるアンドロゲン受容体の増加はプラセボ群でのみ観察できたこと、トレーニングの食餌(P15.29%、F28.66、C56.05%)摂取によって両群でアンドロゲン受容体が有意に増加したことである。
以上のことから、L-カルニチン摂取がアンドロゲン受容体の数を増やすことが分かる。
まとめ
今回は、L-カルニチンの作用について解説した。
L-カルニチンは脂肪燃焼とテストステロン最適化に関与する重要な栄養素である。脂肪酸をミトコンドリアへ運ぶ働きがあり、摂取により脂肪燃焼が促進される。また、L-カルニチンはアンドロゲン受容体の数を増やす効果があり、筋力トレーニングと併用することでその効果が高まるとされている。
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